アービトラージのアルゴリズム
アルゴリズムは一つだけじゃない。思いつくだけでも、3つほど。
- 送金調整ありの反対売買
- 送金調整なしの反対売買 <= まずはコレを実装
- 3通貨間アービトラージ
どれも、チャリンチャリンいけるサイクルだ。理論上は、ね。
送金待ち時間の価格変動でソワソワしなくて良い、送金手数料がかからない、GOXリスク無し、という "負けない精神" を優先して、2番目のアルゴリズムを実装した。私の手元で、安定的に、利益を出してくれているデーモンだ。最終的には、何らかの形で皆さんに、このプログラムをシェアしたいと思う。
まずはアルゴリズム解説
概要
- 取引所1に、0.1BTC
- 取引所2に、法定通貨(JPY, USDT等を10万円相当)
をおいておく(ここからはリアリティを持たせるために、取引所1=BitFlyerと、取引所2=Binanceを実例としてあげる)。
なお、ビットコイン価格が100万円付近をフラフラしており、価格差が最大で1万円開くところを狙う想定で話をする。ここ数ヶ月実際に運用してみた実績から、かなり現実的な数字をチョイスしたつもりだ。
手続き
- BitFlyer、Binanceのそれぞれで、Ticker(現在の売値・買値)を取得する
- 条件が整えば、反対売買する
- 価格が逆転するのを待ちつつ、1に戻る
コツ
あえて国をまたがる取引所、すなわちBitFlyer=日本、Binance=中国(香港)を例として挙げたのには、理由があるのだ。
なぜかって?
取引所間の価格差が大きい組み合わせを見つけ出すことが勝利のコツ。
アービトラージのし易いパターンは皆が同じことを考えて、すぐに価格差が収束してしまう。その逆を張りましょうって話。計算パラメータが一つでも多く、参入障壁が少しでも高いであろう法定通貨同士で為替変動が生じるようなパターンで勝負をしかけてみている、という話。
この根拠を示すデータを一つ。
まずはBitFlyer-Coincheckの価格差。
こっちはBitFlyer-Binanceの価格差
Binanceのほうは、リアルタイムな為替データでドル=>円換算済
んで、実績はどうなのよ
4月から運用した実績として、一か月分の反対取引履歴とその利率を、以下に公開する。少額でのテスト運用ではあれど、20万円程度の預け金に対して3%近い利益率が自動トレードにより実現できている様子が伺える。
次回は、実際にプログラムの一部を公開しようと思う。
これからアービトラージをチャレンジされる方、とりあえず海外取引所の口座開設だけでもしておいて損はないかと。
アービトラージの本質
アービトラージ、裁定取引とは、取引所間で開く差額で、反対売買を実施することで利益を確保していく投資戦略のこと。
例えば1BTCの価格が
という状態において、BitFlyerで買って、Coincheckで売ることができれば、1BTCの取引あたり3万円の利益を一瞬ではじき出すことができる。 これはビットコイン価格が下落傾向で皆が落胆している隣で、着実に利益を出せる、すばらしくリスクの低い理論。
今年の春から、Pythonで実装したアービトラージの自動売買デーモン(ブログラム)をGCP(Google Cloud Platform)のインスタンスで運用をしている。直近で月利3%の実績がでており、プロのエンジニアとして、取引所間の価格安定性に寄与していくために、今後の戦略を皆と一緒に考えていこう。
自分の頭で考えて実践してみて、結果を評価し、フィードバックしてまたトライするという繰り返しができないと、いつかは(むしろ早い段階で)挫折する。
なんでかっていうと、
- 手数料を考慮した利幅計算が必須
- 板が薄くて約定できない(スベる)リスクがある
- 一日中ずっと価格をチェックをする人件費を捻出できるだけの資産を持っている人はほぼいない
- 市場(取引所間差額)はいつの日かは収束する
など、致命的とは言わないが、テクニカルな問題が多すぎる。
アービトラージを、どのように理解し、実践することが、仮想通貨市場の安定性への貢献となり、ゆくゆくは我々の人生そのものを豊かにしてくれるものか、そういう視点でこのブログを成長させていきたい。